相手の気持ちに立つと自分にとって良い理由

子育て

拒絶するのは簡単だよ

でもその理由で相手を憎んたら自分の人生が損だよ

ネガティブな気持ちと共に生きるのはイヤだろ

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社会のルール

みんなが一緒に暮らす日本の社会

皆さんは、『みんなが仲良く気持ちよく暮らせるといいな』

そう感じてますよね

私もそうです

 

でも、社会を見渡すと傍若無人で人の迷惑を考えない人

いますよね

 

注意したいと思っても、

逆ギレされたらどうしよう

結局、目の前からいなくなるまで緊張しっぱなし

そしていなくなっても気持ちはモヤモヤ

分かります

 

でも、

視点を変えると気持ちが少し変わります

その分、モヤモヤも少し軽くなります

爆音を響かせるバイク

日曜日の朝

45歳の和夫(かずお)は『新宿センタービル』を目指して車を運転していた

車には妻の聡美(さとみ)と9歳の娘の舞華(まいか)が同乗している

娘が日帰りのバスツアーに参加するのが理由だ

『新宿センタービル』はなぜか大型バスが路駐で待ち合わせをする不思議な場所です

 

いつもは渋滞が当たり前の国道20号線、

さすがに日曜日の朝は空いています

 

信号待ちをしていると、

窓を閉めきった車内にも関わらず、

後方から爆音が近づいてくるのが分かった

 

1台のバイクが爆音を響かせながら赤信号の交差点に進入していく

髪型はリーゼントがバッチリ決まってる

え、髪型?

ヘルメットで見えないはずでしょ

はい

ノーヘルです

 

バイクは空ぶかしで爆音をまき散らして周囲を威嚇します

交差する道の車たちは、自分たちの信号が青であるにも関わらずに徐行します

それを縫うように走り、交差点を通過します

バイクは交差点をぬけると急加速で駆け抜けていきました

 

バックミラー越しに後部座席の二人を見る

聡美がイライラしてるのが、そのまま伝わってくる

舞華は初めて見た光景に驚いている

同時に好奇心を持った様子にも見える

子供の無垢な好奇心

舞華の驚きも無理はないと和夫は思った

青信号が点滅したら走らずにちゃんと待つように学校で指導されている

それをしっかりと守っていて、

信号で走ろうとした和夫は舞華に袖を引っ張られた事もある

 

目の前の光景に、

舞華は怒りよりも驚きが大きそうだ

「どうして?

赤信号は止まんないとダメだよね。」

 

和夫は運転しながら舞華に答える

「そうだね

ダメだよね

でも、あんな人もいるんだよ

初めて見てビックリした?」

 

舞華は大きくうなずいた

「バイクの人、悪い事って知らないのかな?

赤信号は渡っちゃダメって!」

 

「あの人の髪型見た?

バッチリ決まってたでしょ

バイクも運転してたよね

髪型をかっこよくキメるのも、

バイクの運転も、

ちゃんと考えないと出来ないんだよ

だから、

あの人は悪い事してるってわかってやってるよ。」

 

楽しそうに答える和夫に聡美が怒ってるのを感じる

 

舞華は興味深々だ

「どうして悪い事するの?」

 

「それはね、

悪い事ってわかっていても、

しないといられない気持ちになってるからだよ。」

 

「しないといられない気持ち?」

 

「そ!

すごくツライんだろうね

すごく苦しいのかもしれない

家族と仲が良くないのかも

自分の思い通りにならないのがイヤかも

今の社会が気に入らないのかも

将来が不安なのかも。」

相手の立場に立つのは自分のため

和夫は続ける

「どお?

相手の気持ちになったらドキドキなくなったでしょ

同じ人間なんだから。」

 

聡美が何か言いたそうだ

和夫は聡美に向けて

「これも良い経験だよ

ヤンキーや不良が自分たちの時代じゃ普通だったろ

ああいう人間がいるって事を学べた良いチャンスだったよ」

 

和夫はこの話題の最後にこう言った

 

拒絶するのは簡単だよ

でもその理由で相手を憎んだら自分の人生が損だよ

ネガティブな気持ちと共に生きるのはイヤだろ

 

舞華がずっと楽しみにしていたバスツアー

でも、舞華にとっては、この出会いの方が事件だったようだ

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

「このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

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