その絵に隠された真実と想い

芸術

助けて!

誰か助けてくれ!

お願いだ・・・・

こころに響く絵に出会いましたか?

美術館での美術鑑賞

皆さんもお出かけになることはありますか?

日本は学芸員さんが優秀なのか、特別展はいつも素晴らしいですよね

お客さんの大行列にいつも驚かされます

出来れば常設のコレクションも頑張って・・・・ゴニョゴニョ

・・・・・・失礼しました

絵画の美しさや迫力は感動しますよね

でも、その絵の作者の想いがわかると、また新しい発見があるかもしれません

フェルメールと17世紀オランダ絵画展

大阪市美術館ポスター参照

17世紀『ネーデルラント絵画』を集めた特別展が開催されました

日本人に特に人気がある『ヨハネス・フェルメール』

彼の作品で新たな発見がありました

修正が加えられた作品が、世界に先駆けて日本が初公開です

それだけでも日本の学芸員の人脈のすごさに驚かされます

こころに響く作品との出会い

「村の大火」 エフベルト・ファン・デル=プール

当時7歳の娘と一緒にこの特別展の鑑賞のために東京都美術館へ行きました

娘は館内を縦横無尽に行ったり来たりで作品に興味があるのかないのか

すると、とるに足らない小作品をまとめたセクションで娘が足を止めました

赤い壁紙の上に置かれた作品

でもそこに描かれた炎は壁紙を色あせさせる迫力がありました

エフベルト・ファン・デル=プール

Egbert van der Poel - Wikipedia
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

エフベルト・ファン・デル=プール(1621-1664 デルフト生誕)

風景画家としてオランダ黄金期を支えた方です

しかし、彼が有名なのは火災や事故を扱った絵を多数描いています

もしくはこのウィキペディアのように、火災後の破壊の静寂などもあります

デルフト火薬庫爆発事故

「デラフトの大火」エフベルト・ファン・デル・プール

彼が生まれ育った『ネーデルラント絵画』の中心都市『デルフト』

ここで大惨事が起こりました

1654年10月12日『デルフト火薬庫爆発事故』

40トンの火薬が爆発し、この事故でデルフト市の4分の1が破壊されました

写真がなかった時代

現代のデルフト

写真のない時代、絵画は写真の役目も果たしていました

画家は注文主の意向に沿って自画像などを描き、その対価を受け取る

画家という職業はこうして成り立っていました

彼の絵は現代には記録の継承で大変意味があります

しかし、誰がこんな絵を注文するでしょうか?

この絵は、明らかに注文主でなく、彼の個人的な想いで描かれた作品です

絵に描かれた物に偶然はない

絵画は作者が全て描きます

画家の記憶と想いだけがすべてです

写真の様に偶然写り込むものはありません

この絵に描かれた家、人々

全て作者が必然で描いたものです

すべてに意味があります

今まさに燃え落ちようとしている家

疲れ切ってうずくまっている人々

世間話をしてだらけた兵隊たち

ここに大きな違和感があります

なぜ?誰も燃えている家に見向きもしないの?

なぜ?消火活動をしないの?

目の前で家がまさに焼け落ちようとしているのにです

愛する妹の死

デルフトの火薬庫爆発事故

実はこの時、エフベルト・ファン・デル=プールの身にとても悲しい別れがありました

その爆発事故で最愛の妹が亡くなってしまったのです

彼の爆発事故後の作品を時系列でみていくといろいろな発見があります

『爆発後の壊れた街の様子』

これは風景画の様にその目で見ながら記録できたでしょう

『想像の爆発の瞬間』

自分が描きとめた絵をもとに、その瞬間を想像したのかもしれません

『業火に包まれるデルフト』

火災を見た記憶を掘り起こしてるのでしょうか

もしくは、彼の想像かもしれません

そして、今作品

『業火と人々の対比』

悲劇的な猛威において、人間の無力さが伝わってきます

また火災を街全体でなく、一軒の家にしたので人々の様子がありありと分かります

私はここに違う世界が見えます

 

「助けて!

誰か助けてくれ!

お願いだ・・・・

妹が死にかけている・・・・」

 

自分の無力さ

誰も助けてくれない無関心な人々へのやるせなさと怒り

彼の魂の慟哭と叫びを感じずにはいられません

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

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