人知れず咲き誇る5月の桜〜ブログ初心者が描く葛藤と再生の物語〜

ビジネス

人生には常に選択があります

自分自身が望む道を選ぶことができます

そして、選んだ道に進み続けることが大切です

どんなつらいことがあっても、

決して諦めることなく

ロイド・コンバック

ランキング参加してます。クリックしていただけると励みになります

隆夫の未来への挑戦

人生において、誰しもが挑戦し、夢中になることがあります

それは時に大きな成功を手にすることもありますが、

実際は上手くいかない事がほとんどでしょう

 

主人公の隆夫も同じでした

彼は、サラリーマンの仕事にモチベーションを感じず、将来の資産形成にも不安を感じていました

しかし、偶然見つけた『ブログでの収益化の可能性』に目をつけました

趣味と実益を兼ねることができると思い、自分でもブログを立ち上げることを決意します

 

しかし、ブログの運営は思ったよりも困難で、

自分の思い通りにまったくいきません

果たして、隆夫の気持ちはどうなってしまうのか?

ブログを続けることができたのでしょうか?

 

彼の奮闘や、その過程で得た気づき、成長を通して、

あなたも自分自身の人生において、大切なヒントを見つけることができるかもしれません

ぜひ、隆夫の物語をお楽しみください

小さな不安が新たな道のきっかけへ

2月の末、隆夫(たかお)は北風に逆らって、コートの襟を立てて自宅の帰路についていた

隆夫は今年で32歳になり、新卒で就職した会社で10年目を迎えていた

妻と3歳の息子との家庭を持ち、外から見れば理想的な夫婦のように見えるかもしれない

しかし、隆夫は心の中で小さながらも無視できない不安を抱えていた

 

子供が大きくなると気になるのは、やはり収入面である

現在は妻と共働きでやりくりしているが、

子供が大きくなるにつれて妻の負担が増え、

マイホームなど夢のようなものと思っていた

職場の先輩たちの収入を考えると、このままの人生でいいのかと不安になることがあった

 

そんなとき、隆夫はYouTubeチャンネルで「副業:ブログ収益」という動画を見つけた

アドセンスやアフィリエイトなど、自分の文章で副収入を得られる道があることを知り、

全身に電流が駆け抜けた

元々文章を書くことが好きな隆夫にとって、

自分の趣味が収入に直結する道が開けた瞬間だった

意気揚々とブログを開設したものの…

さっそくにブログ運営に着手する。

早く自分の文章を書きたいと思ってもその前にやらなければいけない事が隆夫に降りかかる

  1. ドメインの取得
    • 自分のブログサイトのアドレスとなるドメインを取得する必要があった。ドメインは、インターネット上の住所のようなものらしい
  2. ホスティングサービスの利用
    • ホスティングサービスは、サーバーを提供してくれる土地のようなものらしい
  3. CMSの選択とインストール
    • CMSとは、ウェブサイトを作成するためのソフトウェアのことらしい。WordPressを隆夫は選んだ
  4. テーマの選択と設定
    • CMSには、多くのテーマ(ウェブサイトのデザインを決めるためのテンプレート)が用意されているらしい。隆夫は右も左も分からないので無料の『Cocoon(コクーン)』を選んだ

これらの知識はすべてインターネットから得る事が出来た

右往左往しながらもやっとページらしきものが出来上がった

 

書きたい記事は頭にもともとたくさん浮かんでいた

隆夫は今までのうっ憤を晴らすかのように文章を書き連ねた

 

しかし、その記事を見る人は誰もいない

当然である、SEO対策もサイトマップも出来ていない

まるで無人島で店舗を開いたような徒労感が隆夫を襲った

ただ、未知の世界に飛び込んだ高揚感がそのマイナスの気持ちを上回っていた

孤独なブロガーを癒す満開の桜

隆夫は孤独の中で自分の心が赴くままに記事を毎日更新していた

インターネットのブログ収益化のアドバイスで、

 

『ブログ初心者はライティングの勉強に全集中、その早道は毎日更新である!』

 

正直なところ、この言葉を全面的に信じていたわけではなかった

が、更新をすることで達成感を感じ、自己満足感を高め、不安を打ち消すことは出来た

 

また、インターネットでのブログ収益化に関する他のアドバイスの中には、

 

『SEO対策は初期段階では効果がない

代わりに、FacebookやTwitterなどのSNSで自分のコミュニティを形成することが重要だ』

 

というものがあった

隆夫は、自分のテーマに合ったユーザーをフォロワーにすることを試みた

しかし、ニッチなテーマであるため全く伸びなかった

 

隆夫はとにかくフォロワーを増やしたくてターゲットを絞らずにフォローを繰り返した

すると、自分と意図しない人々とのつながりが大きく形作られていった

 

それは『自分と同じくブログで副業を目指す人々』だった

 

同じ時期にブロガーを始めた人と多くの交流を持てた

彼らとのSNSでの語らいは大きな勇気をもらった

彼らのモチベーションや熱量は隆夫の比ではなかった

『将来は1000万円プレーヤーになるんだ』

と、大きな夢が当たり前のように語られていた

 

それとは別に怪しいDMもたくさん送られてきた

最初は、交流を望む人かと思って真剣にDMを返していたが、

途中から、自分を食い物にする目的と分かってガッカリした経験もした

 

まだまだ収益化の道筋は立っていない

それでも、同じ思いの仲間たちに囲まれ、自分が孤独でないと感じたことはとても大きな力となった

 

この時期はちょうど4月の上旬であった

いつも通る橋から見える桜並木は満開だった

多くの人がにぎわい、みんなが幸せそうに見えた

ブロガーの夢、アドセンス合格を目指して

毎日Twitterを開き、初心者ブロガーのツイートを見ていると、

一番の話題は、

 

『Googleアドセンス合格』

 

収益ゼロ⇒1の登竜門である

Twitterの情報をまとめると、アドセンス合格に必要なものは大きく2点とのこと

  1. コンテンツの品質
    • AdSenseは、品質の高いコンテンツが必要。逆に言えば、不適切なコンテンツが含まれていないことが大事。
  2. アドセンスポリシーの遵守
    • AdSenseは、広告掲載のためのポリシーを設定している。ポリシーに違反をしない内容の記事が必要。

隆夫のブログの記事は優に50を超えていた

記事が多いと逆に品質やポリシー違反があって不合格になる可能性がある

 

隆夫は引用などで著作権が心配な記事をすべて『下書き』に戻した

万全を期した内容を選んでも記事数は32もあった

 

隆夫はどうせ落ちても失うものはない

Twitterでは不合格を『アドおじに会う』などと揶揄していた

隆夫も物は試し、負けて元々、そう言いながら申請をした

そうは言っていたが、もちろん心の中では合格するつもりで満々であった

 

申請して、早ければ3日で結果が出るはずだった

しかし、Googleアドセンスからは全く連絡は来ない

1週間が過ぎた、

2週間に向かっている

もう5月が迫っていた

 

そんなある朝、パソコンを開くと覚えのないメールが届いていた。

震える指でクリックする

結果は・・・・・・

 

――――不合格だった

 

腕組みをした笑顔のおじさんは確かにインパクトがあった 

ゴールデンウイークを前に隆夫のモチベーションは急激に低下していった

人知れず咲き誇る5月の桜

ゴールデンウイークも毎日更新をするつもりだった

だが、自分の記事に問題がある気がして、筆が進まなかった

結果として、3歳の息子とゴールデンウイークを大いに楽しんだ

それが、たとえカラ元気であったとしても、息子は喜んだことだろう

 

ゴールデンウイークが終わればまた毎日更新をするつもりでいた

しかし、一度立ち止まってしまうと、

以前のような気力が湧き出てこない

マラソンの途中で立ち止まった結果、

そこから走れなくなることと良く似ている気がした

 

隆夫はTwitterで同じ時期に初めたブロガー仲間達との交流に助けを求めようとした

しかし、その時の仲間で続けている人はもう誰もいなかった

 

彼らの夢が大きかっただけに心がついて行かなかったのかもしれない

 

それでもTwitterのフォロワーは順調に伸びており、

その中には副業を目指すブロガーもたくさんいた

大多数は初心者で、熱い思いを語っていた

 

自分たちが夢を語った時も、

先輩ブロガーたちはどんな気持ちでやり取りを見ていたのだろうか?

 

――――もう辞めようか

 

隆夫はそんな心の声を聞いた

 

いつものように満員電車に揺られ、いつもの駅で降りる

いつものように信号を渡って、桜並木で有名な川の橋を渡る

 

一番熱い思いに満ちていた時は満開の桜だった

5月も中旬になり、新緑の美しい葉はもう濃い緑に変わりつつある

道行く人で葉で覆われた桜を見る人はもう誰もいない

橋を渡りながら、隆夫は橋の中央でふと桜に目を向ける

 

――――えっ!

 

隆夫は驚いた

 

小さく桜の花が一房咲いていたのだ

 

人々が楽しんだ花見の時期は当の昔に終わっている

誰かに注目されることもない

 

弱々しくも、それでも精一杯に咲いている桜を見て隆夫の心は震えた

 

咲いている桜を見て、

きっとこの枝の中には、花になれなかったつぼみがいくつも眠っている

彼らは咲くことが出来ないかもしれない

でも、いつか日の目を見るために懸命に生きている

そんな弱々しい花たちを見て、隆夫は自分自身を重ね合わせた

 

隆夫はもう一度5月の狂い咲きの桜を見つめる

小さな花たちは風に揺れてとても美しかった

人生には常に選択があります

自分自身が望む道を選ぶことができます

そして、選んだ道に進み続けることが大切です

どんなつらいことがあっても、

決して諦めることなく

ロイド・コンバック

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

ランキング参加してます。クリックしていただけると励みになります

「このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

コメント

  1. らど より:

    記事拝見しました😁
    隆夫の努力や葛藤が垣間見れて少し前の自分のような気分になりました😋
    負けるな!隆夫!!😎

タイトルとURLをコピーしました