散る桜に美しさを感じる理由

歴史

桜の下には屍体が埋まっている

哀しみは深い、怨みも深い

桜はその思いを吸い上げて花を咲かせる

花が赤から白へと毎年咲くたびに変わっていく

すべてが白くなった時

彼らは安らぎをえるだろう

帝都物語 荒俣宏著

日本が最も美しい季節

桜の季節がやってきました

美しい花が私たちの目を楽しませてくれます

同時にこれほど多くの桜が植えられていることに驚きませんか

考えると、見頃を迎えてたった2週間程度のためにです

桜の花は私たち日本人には数ある花の一つと思えない不思議な魅力を感じませんか?

桜と日本人の関係

何気ない普通の通り道

これが桜の季節にはこれだけ、美しい姿を我々に見せてくれます

そしてみんな思うのです

『本当の意味で今年が始まった』

農耕を生業としてきたご先祖様

暦の節分から農家の皆さんは準備を始めます

遠くの山々の雪が解けて地面があらわになる様子を見て農作業のタイミングを計ります

桜の前に梅が咲きます

そして、桜が咲くのを見て、本格的な農作業のはじまりです

学校も9月始業が先進国も発展途上国も主流です

日本の学校は世界的にも珍しがられる4月始業

桜の時期を卒業と入学の時期にリンクしているのは、日本の四季とのつながりを感じずにはいられません

桜と日本人の『こころ』

バラ、梅、ツツジ、ツバキ、菜の花、ひまわり、朝顔

これらの花々が一斉に咲き誇った様子、皆さんは観たことはありませんか?

これらを観た気持ち

そして、満開の『桜』を観た気持ち

違いませんか?

『桜』は他の花を見た満足感とはまた別な感情が『こころ』に湧き出します

散りゆく姿が美しいと感じる花が『桜』以外にあるでしょうか

帝都物語

帝都物語 - Wikipedia
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

荒俣宏先生の著作です

陰陽道など、日本の民俗学を広く理解しての著作はとても素晴らしいです

この中の桜の記述がとても心に残っています

正直、全然正確ではありません

自分が高校生の時に読んだ作品ですのでその時の内容から記憶を掘り起こしています

鎮魂のために植えられた『桜』たち

『帝都物語』の中でも『桜』は特別な花と扱っていました

東京は関東大震災がありました

第二次世界大戦では空襲で焼け野原になりました

多くの人々が亡くなり、弔われることなくその土への還っていきました

生き残った人々は彼らの無念を想い、その悲しみに想いを馳せました

人々は手を合わせ、花を供え、彼らの安らぎを願いました

そして、その想いの一つに『桜』を植えるもあったのでしょう

 

毎年、『桜』は美しい花を咲かせます

そして、美しく散っていきます

 

「桜の下には屍体が埋まっている

哀しみは深い、怨みも深い

桜はその思いを吸い上げて花を咲かせる

花が赤から白へと毎年咲くたびに変わっていく

すべてが白くなった時

彼らは安らぎをえるだろう。」

 

今年もまた桜の美しさに感動して、しばし足を止めて『こころ』に焼きつけることでしょう

そして、『こころ』でそっと手を合わせます

また、自分が人生で何度『桜』を見る事が残されているのかを考えて

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

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