無垢な視点だからこそ分かる事とは

芸術

あの白い鳥さんは、どうして飛んでるの?

あの鳥さんだけ全然ちがうよ

予備知識はあった方が良いのでしょうか?

皆さんは『絵画鑑賞』をする時に、ご準備はしますか?

私は事前に知識を準備をしていくのがとても好きです

具体的に少し例を出させていただきますと

  1. 作者
  2. 時代背景
  3. どの国
  4. 絵のモチーフ
  5. 作者の師匠や人間関係

その方がより深く知ることが出来ると私は思っています

でも、真っ白な気持ちで絵に向かい合った方が良いことを今回よくわかりました

ルーヴル美術館展 愛を描く

Twitterイメージより 国立新美術館 NACT

六本木の国立新美術館にて『ルーヴル美術館展 愛を描く』が開催されております

世界的な名画がわざわざ日本に来てくれるのは本当にありがたいです

今回のテーマは『愛』です

セクションごとに愛の考え方が違ってとても楽しめました

ドメニキーノ作『リナルドとアルミーダ』

Rinaldo e Armida – Domenichino

こちらはルーブル美術館所蔵『リナルドとアルミーダ』ドメニキーノ作です

叙事詩『エルサレム解放』の一場面を描いた作品です

エルサレム解放 - Wikipedia
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

お話を抜粋すると

イスラム側の魔女『アルミーダ』がキリスト教の十字軍の兵士たちを誘惑したり動物に変えてしまったりしました

そして、十字軍最強の騎士『リナルド』を誘惑し殺すつもりで近づきます

ところが、『アルミーダ』は『リナルド』へ恋をしてしまいます

殺すことが出来ずに、そのまま『アルミーダ』は楽園の島に『リナルド』を連れていきます

 

この絵のシーンは誘惑の魔法にかけられた『リナルド』が『キューピッド』の矢で本当の恋に落ちようとしている瞬間を描いています

そして『リナルド』の友人二人が『リナルド』を奪還するタイミングを計っています

まさに運命の瞬間です

キューピッドの矢が刺さって本当の恋に落ちてしまうのか?

はたまた友人達が『リナルド』を救い出すことが出来るのか?

娘の足が止まった理由

静止画のように瞬間を切り取った傑作

背景との遠近感、明暗のコントラスト、オウムがいることからエルサレムから遠く離れた島であること、登場人物の意味と配置

私はその全体の印象に心を奪われていました

 

しかし、娘は違う視点でこの絵を見ていました

私の袖を引っ張ってこう聞きました

 

あの白い鳥さんは、どうして飛んでるの?

あの鳥さんだけ全然ちがうよ。」

  

私は水辺を走るように飛ぶ白い鳥に目を向けました

異質な存在としての『白い鳥』

Rinaldo e Armida – Domenichino

全然気に留めていなかった『白い鳥』を聞かれて予想外でした

しかし、それに意識を向けると驚きました

タッチが全然違う

語らっている主人公の二人も、十字軍兵士たちも、キューピッドたちも、二羽の鳩も、動きがある構図です

でも、写実がしっかりしていて静止画のようです

この白い鳥だけが残像を残して飛んでいます

絵で唯一、動きを感じさせる不思議な存在でした

試しに視界から自分の手のひらで白い鳥を遮って見てみます

 

『あっ!』

 

絵の持つドラマチックさがウソみたいに消えてしまったのです

まるで冷めた静止画を見る思いです

この『白い鳥』がいる事により、登場人物の体温や息づかいを感じる事につながっていました

 

私は驚いて娘の顔をみます

そして、こう伝えました

 

「教えてくれてありがとう

パパ、お願いしていい

今度、また絵を見に行くときは一緒に来てくれる?」

 

娘は不思議そうな顔をしてうなずいてくれました

もちろん、これは娘のためではありません

『私』のために是非いっしょに行って欲しいからです

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

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