理想の肉体を手に入れる方法

バレエ

そんな事、考えた事もないよ

自分のイメージで踊りたい

ただそれだけだよ

美しい姿勢にあこがれる

美しい姿勢ですね

あこがれてしまいます

生まれながらなのでしょうか?

それとも生活習慣でしょうか?

もちろんその両方です

でも、肉体にその人の想いが深く刻まれることがあります

どこまでもしなやかな肉体

ある世界的なバレエダンサーのコンディショニングに携わることがありました

演目は『ジゼル』

ジゼル

ジゼル - Wikipedia

ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

彼はその主役の『アルブレヒト』を演じていました

男性バレエダンサーはジャンプの力強さや女性を持ち上げるリフトの力わざも必要です

ですので、強い筋肉があって当たり前です

ところが今回のアルブレヒト役は、まるで女性のように

いや、女性以上にしなやかで柔らかい筋肉の持ち主でした

異質な例外

ところが、一点だけ不思議な筋肉を見つけました

背中の板のような骨『肩甲骨』

この周辺だけがウソのように筋肉が盛り上がっていたのです

しなやかな大きな腕の動き

繊細で柔らかい腕の表現

このためには肩甲骨周辺の必要以上の筋肉は邪魔でしかありません

たった5センチのために

公演も最終日を迎えました

私も劇場への足を運びました

明るく楽しい1幕、とはいえ、1幕終盤の悲劇からの2幕のストーリーは知っています

2人の愛情の深さが余計に悲しさを感じさせます

はつらつとした元気さと、隠しようもない高貴さ

この2つを感じさせる『アルブレヒト』はさすがでした

そして幽玄の世界の2幕が始まりました

クライマックス

ジゼルとアルブレヒトの『グラン・パドドゥ』(主役2人のペアの踊り)が演じられます

2人の目線は合いません

でもお互いの存在を知覚しています

死んでウィリー(霊魂)となったジゼルをアルブレヒトがリフト(持ち上げる)します

その瞬間に私の疑問への答えが出ました

まるで空気を持ち上げるかのように彼女を持ち上げる

その高さたった5センチ

ジゼルの位置を変えずにアルブレヒトは呼吸も変えずに歩み寄る

それはまるで水中の様に重さを感じさせません

ジゼルをゆっくりと優雅に天へと持ち上げます

降ろす時も同じです

高さ5センチまで降ろした後、自分が下がってジゼルを地上に戻します

私は呼吸をするのも忘れて見入っていました

ただこれだけのためにあの筋肉は存在していたのです

感動の最高舞台

何度もカーテンコールが繰り返されました

席から数人が立ち上がるとそれに合わせるようにみんなが立ち上がります

観客の退席を促すように客席照明も明るくなりました

それでも拍手が止まりません

気づけば後ろの席のお客さんまで舞台前の通路に押し寄せてきました

スタンディングオベーションはどこまでも続きました

その肉体の秘密

終演後、楽屋に行きました

本番後にシャワーを浴びた後でも汗が噴き出していました

私はリフトの感動をありのままに伝えました

そのために頑張って鍛えた背中の筋肉の労をねぎらいました

しかし彼は困った微笑みを浮かべながら私に答えました

「そんな事、考えた事もないよ

自分のイメージで踊りたい

ただそれだけだよ

 

答えはどこまでもシンプルでした

私も皆さんもきっと理想の肉体を手にいれられます・・・・・・・・でしょうか?

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

「このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

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