最悪こそがこころの大きな成長チャンス

バレエ

一人のアスリートダンサーからアーティストが生まれたよ

まるで『蛹』が『蝶』に羽化するようにね

最悪な事態が教えてくれる新たな世界

生きていれば誰でも

なんでこんな事が

そう思う最悪の瞬間を迎えることがあります

プロのバレエダンサーになる厳しさ

あなたの周りにもいませんか?

バレエを昔やっていた、もしくは今バレエを習っているという人に

ローザンヌ、ユースアメリカグランプリ等、世界のバレエコンクールで日本人が上位独占なんてニュースを見たことはありませんか?

なんと日本のバレエ人口は40万人ほど、もちろん世界1位です

ここまで書けばお分かりですね

そう、その人数に対してプロへの受け皿はあまりに小さいのです

プロになるにはもちろんたくさんの要素があります

その中でも特に大事な3点は

  • 肉体のたぐいまれなる美しさ
  • 音楽を感じられ、そして自身を通して伝えるセンス
  • 努力を努力と思わないでレッスンに打ち込める気持ち

才能というダイヤの原石

それを極限まで磨く努力が必要なのです

順風満帆な門出にやってきた最悪

当院にある女性バレリーナが来院しました

彼女を多くのコンクールで結果を残し、狭き門を通ってバレエ団に入団してました

バレエ公演で自分だけが一人で踊ることをヴァリエーションと言います

それを踊る人をソリストと呼びます

この若さでその大役を射止めたという事実だけで

彼女が幼少期からどれだけ努力を重ねたのかがわかると思います

膝は腫れ、そして痛みもとても強いものでした

自分のパートの練習中のほんの些細なミスが取り返しのつかない結果になってしまいました

最悪が教えてくれた舞台の本質

本番までにベストコンディションになるのは奇跡があっても無理でした

私は彼女にこう言いました

「あなたの持つ最高のパフォーマンスを求めることはもっと体を痛めてしまう。」

彼女はうつむいていました

「では、作品の世界やあなたの想いを観客に届けられると思いますか?」

彼女はじっと私の見て微動だにしませんでした

「アンダー(代役)がいて待てるならギリギリまで決断を伸ばしてみたら

ただ舞台に立つことが目的じゃなくて、観に来る人々に伝えられるかで判断するといいよ」

最悪が舞台の本質に向き合うチャンスを与えてくれた

結局彼女はその公演は踊りませんでした

後日、先輩ソリストと話す機会があり、彼女の話題が出ました

この件は、彼女の人生において最悪の出来事でした

しかし、この最悪と正面から向き合ってバレエの質が大きく変わりました

先輩ソリストはこう言いました

「けがは残念だったよ

でも彼女はアスリートからバレエダンサーに生まれ変わった

そうまるで、『蛹』が『蝶』になるみたいにね

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

 

「このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

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