クラシックバレエの語る力の凄さ

動きは決して嘘をつかない

バレエは魂の隠れた言葉である

それは魂の天気の状態を読める人々に、

その状態を大いに語る力を持っている

ミハイル・フォーキン

クラシックバレエ

皆さんはクラシックバレエを御覧になった事はあるでしょうか？

テレビやネットで偶然見た

そんなご経験は誰でもありますよね

美しい女性たちの美しい所作やダンス

そんなイメージをお持ちかもしれません

でも、美しさだけで満足するのはもったいないです

バレエは言葉に出来ない何かを伝える芸術作品でもありますから

世界旅行博

🌟公式サイト公開のお知らせ🌟
『ツーリズムEXPOジャパン2023大阪・関西』公式サイトが公開となりました❗2023年は10月28日(土)〜10月29日(日)に​インテックス大阪​​にて開催🙌たくさんの方のご来場をお待ちしてます‼️

公式サイトはこちら
👉 https://t.co/qy5YdeTOrf#ツーリズムEXPOジャパン pic.twitter.com/MWgRQtYmXr

— ツーリズムEXPOジャパン (@t_expo) April 3, 2023

私は2000年初頭にこちらのイベントを訪問しました

現在『ツーリズムEXPOジャパン』が２年に一度開催されています

当時は、この前身にあたる『世界旅行博』でした

世界各国が自国をアピールするブースを展開していました

　

ハワイやサイパンなどのメジャースポットは、

とても大きなブースを構えていました

その時、特に印象深かったのは『アラブ首長国連邦』ブースでした

イベントグッツでバックパックなどを大判振る舞いでした

で、ブースで旅行プランの説明を聞くと

　

予算『９００万円！』

　

ヘリで空港からホテルまで送迎って

あこがれますけど・・・・ムリっす

　

他にも無人島貸し切りプランなど

普段では絶対に考えない旅行プランを妄想出来る楽しみもありました

ステージパフォーマンス

本日のBステージから「出会う・見つける中央アジア〜シルクロードの旅」をご紹介❗️こちらのステージでは、中央アジア地域の5カ国が、地域の魅力を発信していました🌟

残りわずかとなりましたが、引き続き『ツーリズムEXPOジャパン2022』をお楽しみ下さい😊#ツーリズムEXPOジャパン pic.twitter.com/EWnWFVHfwz

— ツーリズムEXPOジャパン (@t_expo) September 25, 2022

『世界旅行博』は会場の左右に２つのステージが用意されていました

と言っても広さ５ｍ×３ｍの広さで高さは膝の高さ程度

ステージと呼べるものなのか？

観客席もパイプ椅子が雑然と並べられています

各国が自国をアピールする音楽や舞踊を披露していました

　

私が到着した時には、陽気なメキシコのマリアッチが響き渡っていました

とはいえ、そこで座ってる人たちは、

興味を持って観ているわけではありません

座れるスペースだからと休憩場所にしている人の方が多い印象でした

ロシアブースにクラシック・チュチュ

世界を旅した気持ちになるイベントはとても楽しかったです

そんな時、ロシアブースをふと見ると、

奇妙な光景が目に飛び込んできまいた

　

一人の若手バレリーナがクラシック・チュチュを着てそこに立っていました

劇場用の強いステージメイクでないので美貌が余計に際立ってます

何やらスタッフと強い語調でしゃべっています

無意識でしょうか

トウシューズで足先のストレッチをしています

　

大勢の一般人の中にいるバレリーナ

美しいスタイルに美しい立ち姿

これが逆にシュール以外の何物でもありません

　

他のお客さんも同じ感想だったのでしょう

みんな物珍しそうに見てます

　

話し合いは終わったのか、バレリーナさんはステージに向かいます

それにつられるように気になった人たちもステージについて行きます

マリンスキー劇場の若きバレリーナ

マリインスキー・バレエ - Wikipedia

ja.wikipedia.org

ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

ステージの外にバレエ・コスチュームに身を包んだ彼女が立っています

幕も袖もないステージですからスタンバイも全部丸見えです

　

物珍しさ手伝って、パイプ椅子は満席です

周辺に立ち見もいます

かく言う私も後から来たので、立ち見で横から観覧です

　

質の良くない、かすれたスピーカーのアナウンスが響きます

　

「これから、本場ロシア・バレエを皆様にご紹介いたします

彼女は『マリンスキー劇場』のバレリーナ、『カタリナ』と申します

今から、皆様も一度は聞いたことがあるでしょう、

『サン＝サーンスの瀕死の白鳥』を披露させていただきます

なお、終了後は、『カタリナ』とロシアブースで写真撮影もございますので、

よろしくお願いします。」

　

義理かお情けが程度の拍手が見物人からステージに向けられます

　

私は強く興味を持ちました

　

ロシアでは『ボリショイ劇場』の方が有名でしょうか

ですが、帝政ロシア時代の宮殿のあったサンクトペテルブルクの『マリンスキー劇場』の方がバレエについては格上です

そしてこの『瀕死の白鳥』はマリンスキー出身のバレエレジェンド『アンナ・パブロア』の代表演目です

　

カタリナはアナウンスの終わりを待って横からステージに登ろうとします

しかし狭いスペースでチュチュが邪魔で通れません

彼女は広がったチュチュを両手で抱えるようにもち上げてステージに登壇します

その『あられのない恰好』のためでしょうか、

観客から失笑が漏れているのがわかります

そんな反応を彼女は完全に黙殺してました

　

ステージに登って彼女の雰囲気は一変します

そして、奇跡の３分間がここからはじまりました

奇跡の３分間

狭いステージの中央から左寄り１／３でカタリナは背中を向けて立った

古いスピーカーから割れた音の『サン＝サーンスの白鳥』が流れ始める

　

　

　

　

万雷の拍手拍手拍手

バレエを知らない観客です

それが終わりなのかどうかも分からない

ましてや休憩で座ってる人もいたでしょう

　

カタリナはその場で立ちあがって、

あっさりしたレヴェランスをしました

　

観覧していた人は、それで終わったことが分かったのでしょう

　

観客席から大きな拍手が巻き起こりました

万雷の拍手とはこれでしょう

その拍手に外のブースを回っている部外者が驚いています

　

カタリナも豆鉄砲を喰らったハトのように驚いています

　

彼女はその拍手に応えるように今度は丁寧にレヴェランスを・・・・

しませんでした

　

やっぱりあっさりです

彼女もきっと異国の人たちの大きな反響にビックリしたのでしょう

それだけ若いダンサーだったのです

　

彼女はまた、いそいそとチュチュをグイと持ち上げて、

恥ずかしい恰好をさらしてステージをおりました

もちろん、それに失笑する人など、どこにもいません

　

さあ、この後はロシアブースで記念撮影です

　

さてそれはどうなったでしょうか？

　

観客たちはこぞってロシアブースを目指しました

撮影会が始まりました

しかし、

周辺が撮影順番待ちの行列で大混雑

　

５分を待たずに中止となりました

　

さて、

なぜ、私がここまで詳細に覚えているのでしょうか？

それは、

　

人生でこれ以上の『瀕死の白鳥』を観ていないからです

　

どこに人生の宝が隠れているかわからないですよね

　

最後に、『アンナ・パブロア』に『瀕死の白鳥』を振り付けた、

『ミハイル・フォーキン』の言葉をお伝えします