流 政之(ながれ まさゆき)氏の作品との出会い

芸術

これだけ全然違う

いつまで見てても飽きない

すごくあたたかいの

何でかな?

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街中の彫刻作品

皆さんは『芸術鑑賞』って言うと敷居が高いなと思うでしょうか

ですが、街中をただ散策するだけでも、

ポスターやビルのデザインなど、

たくさんの『作品』を目にすると思います

その中に『彫刻』を見つける事もありますでしょうか

美しさやインパクトに驚かされる事もあります

でも、それ以上に『強い想い』が見えた時に、

『こころ』は強く揺さぶられます

パレスホテル東京

Palace Hotel Tokyo
パレスホテル東京は、都心でありながら美しい緑と水に恵まれた丸の内1-1-1にあります。客室は「グランドレジデンス」をコン...
パレスホテル東京|公式サイトより

私たち家族は、機会があり、『パレスホテル東京』を訪問しました

建物の密度がとても高い都心中央部

そこにポッカリと異空間のごとく広がった空間

皇居に面した最高の立地に『パレスホテル東京』はあります

 

『パレスホテルグループ』は少数精鋭の強みで、

素晴らしい個性を発揮しています

『パレスホテル東京』は皇居内堀に面した、

その立地を最大限生かしています

窓はとても大きく取って、

日の光を大きく受けるロビー

さえぎる物がない外の空間の広がりから、

皇居の緑や堀、石垣に歴史情緒を感じます

まさに快適と非日常感を同時に得られる最高のホテルです

パレスホテルのアートたち

About the Art Of Our Hotel パレスホテル東京のアートについて│パレスホテル東京のアート│パレスホテル東京 公式サイト
パレスホテル東京のアートについてのご案内です。パレスホテル東京は、東京 丸の内1-1-1にあるホテルです。都心でありなが...
パレスホテル東京|公式サイトより

ラグジュアリーホテルには特色があります

外資系や大きなチェーンを展開するホテルはどこであっても、

同一の『哲学』を感じさせます

そこに置かれる調度品や美術品が、それに一役買っているのは、

皆さんお分かりかと思います

 

『パレスホテル東京』も例外ではありません

建物内部には絵画や彫刻、調度品など、

いろいろな作品が我々の目を楽しませてくれます

そして、窓の外をみると、

屋外の彫刻作品がお堀と石垣をバックに見る事が出来ます

 

そんな中、

娘が一つの作品にこころを奪われました

要石(かなめいし)?

「他とはぜんぜんちがう

要石(かなめいし)なのかな?」

 

『要石』は『すずめの戸締まり』で以前に紹介させていただきました

『永遠をともに歩む両親の気持ち』

『良い作品は二度見た方が良い理由』

映画の最重要アイテムです

 

地面に突き刺さっているように感じさせるディテールは、

確かに『要石』を感じさせます

しかも『パレスホテル東京』は丸の内1-1-1

地脈としても皇居からの最重要なポイントとも感じます

 

他にもいろいろな屋外作品がありましたが、

娘の心をとらえたのはこの作品だけでした

目の前のソファーに座ってじっと見続けます

 

娘は気になったのか、

ホテルコンシュルジュさんに質問しました

コンシュルジュさんは分厚いスクラップブックを取り出して、

作品を調べます

作者がわかりました

『流 政之(ながれ まさゆき)氏』の作品でした

流 政之(ながれ まさゆき)

流政之 - Wikipedia
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

まさかの世界的マエストロの作品と分かって驚きます

彼の逸話で最も有名なものは

1963年に日本から2,500個、600トンの石を運び、

ニューヨーク世界博覧会日本館に壁画『ストーン・クレイジー』を制作

この作品は『世界博ベストワーク』として博覧会トップを受賞した

文字に起こせばたったこれだけです

しかし、ここには信じられないドラマがあるのです

ストーン・クレージー

1963年の日本

万国博覧会で世界に伝えるものは何もありません

お金もありません

ここで、流 政之氏は6人の仲間とたった7人で、

2,500個、600トンの巨大な石たちと戦ったのです

なんと、地下タビ半テンスタイルで!

彼らは昼夜別なく寒い冬のニューヨークで働き続けました

これは、万博会場の設営規則を大きく逸脱していました

彼らの仕事が規則で止められました

しかし、彼らの礼儀正しさと仕事に対する真剣さ

これがアメリカ世論を動かします

『ナガレの仕事を邪魔するな!』

ニューヨーク・タイムズが何度もそれを報じます

 

万博は経済的余裕がある人たちの好奇心を満たすものです

しかし、仕事それ自体に情熱と誇りを持った流一家に、

万博と無縁なアメリカの労働者階級(ブルーワーカー)が応援し始めました

彼らの仕事っぷりを『クレージー』と馬鹿にしていた言葉が、

尊敬と親愛に変わったのです

アメリカの人々は尊敬の念を持って

『ストーン・クレージー!』

と彼らに会うと声を掛けました

 

そして石の壁画は完成しました

人々はその作品を

『ストーン・クレージー』

と呼びました

作品名は目の前の完成品だけに向けられたものではありません

7人の『クレージー』な情熱と熱意が巨石に挑んだ過程

それすら作品の一部として、人々の心を熱くしました

そして

『世界博ベストワーク』として博覧会トップを受賞しました

崩れゆく作品

『パレスホテル東京』の流 政之氏の作品は、

人の動線から全く離れた場所の壁際にありました

誰にも気づかれない所にひっそりと

作品はもろい砂岩から造られています

庭園も手掛ける流氏が、石の性質を知らないわけがありません

雨風が吹きつければ、崩れる事は容易に想像できたはずです

実際、水の浸食乾燥が著しい地面より少し上の部分が崩れて、

作品の下に砂の小山が出来上がっています

 

作品には『羽』と漢字で書かれています

地面に突き刺さった作品に空を舞う『羽』です

この文字すら風雨で、ところどころにひび割れが見えます

 

『パレスホテル東京』がリニューアルオープンした時、

この作品はキズ一つない美しい作品だった事でしょう

そして、今は崩れゆく自身の砂の山の上にその作品はあります

あと何年、この作品は形を保ち続ける事が出来るのでしょうか?

 

ここから先の解釈や、どう感じるかは皆様のものです

私の感想など、むしろ邪魔になる事でしょう

皆さんの感じた『想い』こそが答えです

 

じっと見つめ続けていた8歳の娘がこう言いました

 

これだけ全然違う

いつまで見てても飽きない

すごくあたたかいの

何でかな?

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

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