最近、腹の底から笑いましたか?

笑い
Isolated studio shot of positive cheerful young African American male with funky hair closing his eyes tight and holding stomach, can't stop laughing at good joke while watching comedy show on TV

笑いは本能から

腹の底から笑えばいい

本能からの笑いは心をどこまでも自由にする

あなたは笑うことをコントロール出来ますか?

無理ですよね

面白いこと、おかしいことがあなたの目の前にあらわれないと

でも、もう一つ必要なことがあるのです

それは何だと思いますか?

本能に逆らった仕事

弁護士の雄一が当院に来院してきました

不眠とイライラ、極度の緊張からの多汗

自律神経の乱れであることは明白でした

抱える裁判案件が自分の正義に反すること、クライアントへの大きな不信感があることは明白でした

東洋医学は症状より原因に注目します

原因から離れられないことは回復をより困難にしてました

こころも体も限界を迎えて

雄一は鉛を詰め込んだような体で帰宅した

普段はすぐにシャワーに向かうのにこの日はいつもより帰宅が早かったので珍しくソファーに座った

すると目の前に真っ黒なテレビ画面が見えた

朝のニュース以外につけることはほとんどない

なんとなしでリモコンのスイッチを操作した

テレビが着くと画面の中央に水着のブーメランパンツをはいたマヌケな顔の男が映っていた

雄一はボーっとその男を見ていた

小島よしお

海パン一丁のその男は明らかにステージで浮いていた

画面の中央にいても周りからイジられてバツが悪そうだった

イジリたおしで収集が付かなくなると思ったときに突然重低音が響き渡った

雄一は男は鍛え上げられた肉体を誇示するだろうと思った

予想に反して肩をブルブルと震わせる嫌悪感を覚える動きをした

何やら舌足らずに記憶にも残らない、オチもないしょうもないネタをしゃべった

そして初めてその肉体が火をふいた

エネルギッシュに握ったこぶしで地面をたたくように

足を力強くたたきつけるように

そんなのかんけえねぇ

そんなのかんけえねぇ

そんなのかんけえねぇ

はい!おっぱっぴー

最後のポーズももちろん雄一にはしょうもない印象しかなかった

笑った、泣いた、そして叫んだ

雄一は無表情、無感情で最後まで見ていた

間のぬけた顔

気持ちの悪い動き

意味の分からない言動

きまりの悪そうな決めポーズ

ふと雄一の口元がゆるんだ

目線が足元に向かう

あのテンションの高いオープニングミュージックが頭でリフレインする

同時にあの男の動きも鮮明によみがえる

腹から小さな笑いが込みあがってくる

笑いが笑いを呼ぶ

気づけば天井を見上げて息が出来ないぐらい爆笑していた

途中から何で笑ってるかの理由もわからないままに笑い続けた

笑いながら涙が出てきた

涙がとめどもなく流れてくる

息が出来ないほどの笑いが息が出来ない涙と一緒になった

気づくと叫んでいた

叫び続けた

喉をつぶすほど

声が枯れるほどに

その夜、雄一は眠った

ここまで深く眠れたのは何日ぶりだったのか

こころの扉を開くカギ

雄一は驚くほど元気になっていた

私はこの良い歯車を回し続ける事を治療施術の根幹としました

感情を吐き出すことが元気を取り戻すきっかけだったことは明らかでした

雄一は弁護士らしい知的な言葉を私にくれた

腹の底から笑えばいい

本能からの笑いは心をどこまでも自由にする」

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

 

このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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