コンプレックスに悩んでいるあなたへ

舞台

それはあなたの責任なんですか?

そうでないなら胸を張ればいいよ

欠点が気になる

理想の自分を思うとつらいため息が出る事がありませんか?

自分もです

もっと足が長ければよかったのに

天然パーマのクシャクシャじゃなければ

なによりイケメンに生まれてれば

でも現実は厳しいのです

身長が足りない写真

若き新人女優の佳奈は舞台の上でキラキラと輝いていた

全身から出る喜びのオーラは2階席の端からでも十分わかるほど

アンサンブル(役名のないキャスト)でも、とりわけ目を引いた

本番を直前に控えた舞台上で、全体の流れを見る『通し稽古』が行われた

佳奈は照明の強さが気になると同時に本番を思って気持ちが高鳴った

ふいに舞台演出家(映画で言う監督)が佳奈をステージ中央に呼んだ

主演男優と並ばせる

じっと見た後にアンサンブルに戻るように指示した

しかしその後は何の音沙汰もなし

たまたまその時の写真をスタッフが撮っていた

佳奈はそれを見た

身長バランスが悪すぎる

自分が主演男優の実の娘という設定がしっくりくる写真だった

負のスパイラル

舞台上でウソはつけない

気持ちに穴があいていれば演技やオーラはそうなる

テクニックで埋められるものではない

無理にがんばっても、もがいた必死さだけが伝わってくる演技になった

演出家や助手は佳奈に注意を何度も何度も個人的に言った

しかし、いつしか何も言われないようになった

身長さえあれば

佳奈はそれにとらわれてしまった

あるがままの自分で勝負するしかない

佳奈は身長を伸ばしたいと言って当院に来た

身長が低いわけではない

ただ必死な事はよくわかった

私は彼女に告げた

「その身長であるのはあなたが悪いの?

あなたの責任なの?

だったら今の自分に胸を張ればいい」

それでも佳奈の表情は暗いままだった

「今の身長を高く見せる方法はある

相手を見上げれば低く見える、逆に見下ろせが大きく見える

つま先立ちを上手に使えばだけど9センチは稼げる、観客の瞬間の印象のポイントは分かる?

腕を高く大きく使うんだ、でも首が短く見えたらダメだよ

どう、自分の演技の中で組み込めるところはある?」

彼女がみるみる気持ちが元気になってくるのが分かった

「じゃあそれを自然に出来るように体を変えていこう

いっしょに」

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

 

「このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

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