相手への敬意をもった方が良い理由

ビジネス
businessman is negotiating, advising, and explaining the matter of the contract to be agreed to sign the contract.

どんな人でも自分より優れているところは絶対にある

それに敬意を持つべきだ

それは相手のためではない

自分のためになるんだ

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人とのコミュニケーション

皆さんは、たくさんのお友達に囲まれていますか?

他人との有益な交流は、

未来の素晴らしい自分につながります

積極的に交流を増やしていきたいですよね

 

自分に得がない人とは付き合いたくないよ

 

そうおっしゃる方もいますでしょうか

でも、自分の人生に偶然であれ、

関わった人が人生の転機をあたえてくれるかもしれません

出会いの瞬間で損得はもったいなくはないですか?

有能であるがゆえに

修一(しゅういち)は社会人5年目

新卒で入社した会社は、

就職人気ランキング常時上位の大手不動産会社

その中の『管理部門』に配属されていた

選りすぐりの同期の中で、

彼は最も良い成績を上げる英俊です

今時では珍しく、負けん気が強く、闘志あふれるタイプ

性格なのか、とても自分に厳しく、

自分の給与以上にどれだけ会社に貢献出来たか

それを常に考えて行動していました

 

ただ、彼にも欠点はありました

有能であるがゆえに、

能力が劣ってると感じる人間には興味を全く持ちませんでした

自社所有ビルの大規模改修

修一の今回の案件は、少し面倒なものであった

彼の会社の所有の商業ビルが大規模改修を行う事になり、

今いるテナントとはすべて契約打ち切りが決まっていました

もう決定事項です

ただし、テナントとしては継続を望むのは当然、

あつれきはあるでしょう

とはいえ

契約は定期借であるので、契約上、出て行ってもらうことは全く問題なかった

定期借地権

定期借地権 - Wikipedia
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より

普通借の時代は借り手がとても有利な時代でした

しかし、貸主保護を目的に1992年という最近に新しい法律が出来ました

これで、貸主は強い立場を持つことが出来るようになりました

25年の長きに渡って

修一と上司の榊(さかき)は目的のビルで各テナントへ訪問、説明を行った

今後の『大規模改修』とスケジュールを伝える

テナントオーナーはもちろん良い顔はしていない

新しい店舗を探すのは確かに大変だろう

でもそんなことは修一には関係ない

 

最後に最古参、25年間テナントを続けていた巌(いわお)の元に説明に行った

修一はマニュアル通りの説明を行った

  • 2年後に大規模改修予定
  • 改修終了期限は未定
  • 現在のテナントはすべて解約
  • 改修終了時期や新契約内容がわからないので現テナントとは継続はなし

修一の説明はよどみがなかった

巌は修一の説明の後で、こう聞いた

「良く分かりました

私はここでしか仕事をしたことがありません

そちら様で新しい道筋を、

見せてくれるのでしょうか?」

修一の頭に浮かんだのは

契約書

大家とテナントの関係はこれがすべて

それ以上でもそれ以下でもない

修一は沈黙して巌の話を聞いているフリをして、

目を見て相づちを繰り返した

もちろん話の内容は1ミリも頭に残っていない

間を取り持つ約束をする

上司の榊が巌に話しかけた

「わかりました

巌さんのおっしゃりたい事、

ビルのオーナーに出来る限り説明したいと思います

お伝えしたい要点を教えていただけますか?」

巌はうなずいて説明を始めた

  • テナントの経緯
  • ビルオーナーとの信頼関係
  • 自分の想い
  • 今後の不安

まったくもって賃貸契約とは関係のない話だ

これをビルオーナーに伝えて何の意味があるのか

横で聞いていて、修一は内心あきれ返っていた

契約書をもう一度頭からしっかり読んでいただけますか?

この言葉が口から出るのを何回我慢しただろうか

 

榊は丁寧にメモを取り続けた

顔つきは真剣そのもの

修一の目には演技とは見えなかった

ひとしきり言い終わると、巌は納得と安心の笑顔を見せた

やっと修一にとって、苦痛とも言える時間は終わった

相手に敬意を持つ意味

本社に帰る車の中で修一は榊に聞いた

「ずいぶん丁寧に聞きましたけど、

オーナーに話しても仕方がない内容ですよね

逆にテナントさんが期待しちゃって面倒じゃないですか?」

「そうだな

契約が絶対である以上、

巌さんがテナントを継続することは絶対にない。

榊は当たり前だが全部理解しいた

それなのに、あの対応をしたのか

そう思ったら、修一はずいぶん酷いなと思った

 

榊は続ける

「でもな、巌さんはあのテナントを25年続けたんだ

家賃の滞納も一度もなくな

修一、お前が同じ立場で、スケルトンのあの物件を借りて、

25年間続けることが出来るか?

俺にはもちろん無理だ

その一点において巌さんは敬意を持つべき人という事だ

敬意を持つ人の『想い』を

ビルのオーナーに伝えるぐらいはしたいと思わないか?

 

修一は別にそうとは思わなかった

世の中にはルールがある

ルールが社会を作っている

それとは関係のない『想い』など何の意味も感じなかった

 

榊は何か言いたそうな修一の顔を見ながらこう言った

 

「お前にはまだわからないかもしれない

でも、いつかわかる日がくる。

 

どんな人でも、

自分より優れているところは絶対にある

それに敬意を持つべきだ

それは相手のためではない

自分のためになるんだ。」

 

相変わらず修一は不服そうな顔をしている

榊はその修一の顔をうなずきながら見ていた

口元に笑顔をたたえながら

 

最後までお読みいただきありがとうございます

こころが変われば世界が変わる

人生のこの瞬間に感謝を

 

「このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

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